遺言書・相続
~ 残される者への思いやり ~ |
「主人がもう長くないのです……」 あるご婦人の依頼者の言葉を聞くやいなや、私どもは慌てて遺言内容の作成に取り掛かりました。 ご主人の容態によっては遺言できない可能性があったからです。幸いにも、公証人が病床に出張した際には、遺言意思の確認を行うことができました。 しかし、その直後からご主人は昏睡状態に陥り、1か月後静かに息をひきとられました。 後日、ご婦人から電話がありました。 間一髪で遺言が間にあった実例です。 しかし、もし遺言書がなければ、このご婦人は顔も知らない疎遠な親戚を訪ね、頭を下げて遺産分割協議書に実印をもらうことになり、精神障害の子に対して家庭裁判所で法的後見の手続きが必要なため、不動産はもちろんのこ と、なけなしの預金ですらご自身の名義に変えることはできなかったことでしょう。 |
■「相続」を「争族」にしないために
高齢化社会が進行するに従って、自分の死後に財産をどのように処分すべきかを、真剣にお考えになる方が増えています。
「生前贈与」という方法もありますが、ご自身の生活の場である住居などを贈与してしまうわけにはいかないため、自分の死後に財産を分け与えるのが現実的 です。ところが、自分の死後は自分で財産を分割することができないため、百合岡事務所では最も確実に遺志を反映できる方法として「公正証書遺言」をお薦めします。
■遺言書は資産家が作成するもの?
親族間における遺産をめぐる争いは、財産が5千万円以下の場合に多く、億を超えた場合は少ないのが実情です。
これは、法務省の統計で明らかです。ごく普通に預貯金や株式・自宅等を所有しているだけで、当然に遺産相続が現実的な問題になるのです。
遺産相続は誰もが直面する問題であり、何らかの対策が必要であるという認識を持つ必要があります。
■遺言書を残していなかったら?
遺言書がないと民法による法定相続となります。法定相続では被相続人(死亡した者)の意思が全く反映されません。
例えば、親不孝で遺産相続をさせたくない実子がいた場合でも、何もしなければ自動的に相続人となってしまいます。あるいは、生前世話になった他人に遺産を譲りたい場合でも、法定相続では反映させることができません。
また、法定相続の場合、遺産が不動産や美術品といった分割しにくいものであると争いが起こりやすくなります。
■自筆の遺言書ではダメなの?
自筆証書遺言は遺言書の文言を自筆して、在村目録は、パソコン入力でも許されます。
すべて自分で完結できるので「手軽」なことが最大のメリットですが、様式や内容など法律上の制約があるので、これを理解したうえで作成しないと、自分の死後に遺志を反映できない可能性が残ります。
〈自筆証書遺言のデメリット〉
① 法律で定められた要件を満たしていないと無効になる
② 遺族が遺言書の存在に気付かない場合がある
③ 遺言内容に矛盾や錯誤・不明瞭な点があった場合は、かえって争いの種になってしまう
④ 秘密にしたい遺言内容がすべての親族に知れ渡ってしまう
法律のプロが勧める公正証書遺言のメリット |
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他人の遺言書作成は、行政書士と弁護士が行える業務です。 百合岡事務所では、遺言書作成、遺言が無い場合の遺産分割協議書の作成、 相続税に関するご相談を、秘密厳守で承りますので、お気軽にご相談ください。 |