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公益目的支出計画

◆公益目的支出計画と法人の財政

 「公益目的支出計画を実施すれば法人の財政基盤が侵され、法人の存続が危うくなる」「法人の財産が没収される」……このように考える法人関係者が非常に多くおられます。このような不安を払拭するために、A法人を例として具体的に説明します。
 公益目的支出計画において支出すべき公益目的財産額は、一般法人への移行登記日の前日における貸借対照表の純資産額が基準となります。純資産額とは、現金預金や建物などの資産から借入金などの負債を差引いた額です。純資産額がマイナスとなる法人は公益目的支出計画の策定が免除されます。


  1. A法人の純資産額は1億円。
  2. A法人が行うA公益事業は、事業収入が1,500万円、参加費として回収する事業収入が1,000万円。
  3. 加えてB県への特定寄附を毎年500万円行う計画。
  4. A公益事業は500万円の赤字(1,000万円-1,500万円=△500万円)。
  5. よって、B県への特定寄附500万円を合わせた年間の公益目的支出額の合計は、1,000万円となる。
  6. A法人は、これらの事業を10年間継続すれば1億円を支出したこととなり(1,000万円×10年=1億円)、公益目的支出計画が完了する。
  7. 一方、A法人は毎年1,500万円の会費収入と500万円の利息収入があり、人件費などの管理費は500万円とする。
  8. A法人の一般収支は1,500万円の黒字(1,500万円+500万円-500万円=1,500万円)。
  9. 公益目的支出を含めた法人全体の収支は500万円の黒字(△1,000万円+1,500万円=500万円)となる。
  10. 会費収入や利息収入は、原則として公益目的事業の事業収入には当たらず、法人会計の収入として計上する。
  11. 下図より法人の財産(純資産)は毎年500万円ずつ増えていく。
  12. たとえ、法人全体の年間収支がフラットか黒字であっても、赤字のA公益事業を継続的に実施している限り、公益目的支出計画を遂行していることになる。
  13. 一般法人は従来の公益法人と異なり、原則的に収益事業を自由に行うことができるので、さらに収益を増やして純資産を増加させることも可能。
  14. 逆に、収益事業で赤字を出せば法人経営が難しくなるが、これは株式会社と同様に一般法人の自己責任である




【公益目的支出計画のイメージ】

 あるメタボの人が医者から「毎日ランニングをしてカロリーを消費(=赤字ベースの公益事業)するように」と言われました。
 この人はランニングを始めて、カロリーを消費するようになりましたが(=公益目的支出の開始)、食事はきちんと摂るので(=会費収入、利息・配当金収入、収益事業収入)、痩せすぎて死んでしまうことはありません。ランニングでカロリーを消費している分、以前よりも太りにくいというだけです。
 そして、ダイエットを始める前に量った脂肪の量(=公益目的財産額、概ね貸借対照表の純資産額)に相当するカロリーを消費した時点でダイエットは終了しました。現実に体重が減ることを求められないので、楽なダイエットです。
 本来的に公益法人はメタボであってならない人種ですから、メタボになった人はせめて一旦ダイエットをして、目標を達成したらその後はご自由に……というところでしょうか。





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